昔、勝浦漁港はサバの水揚げで賑わい、その出荷と加工が中心でしたが、カツオ漁船にとっては氷の補給地としての存在でした。昭和36年の夏、三陸気仙沼での誘いをきっかけに、カツオ一本釣り船を勝浦漁港へ誘致することを決意した先代の光正は、高知など各地の漁港を巡り、カツオ一本釣り漁船の漁師たちと交流関係を結び、勝浦漁港での水揚げを呼びかけました。それが、勝浦漁港のカツオ水揚げの始まりです。伝統の一本釣りは、海鳥の群れでカツオの群れを発見し、撒き餌をして竿一本でカツオを釣り上げます。それは人とカツオの真剣勝負で、漁船がカツオの群れの数%程、自然界を壊すこともなく、人が食する分だけを獲るという漁法です。しかも、一本釣りで獲れたカツオは肌目も美しく味も別格です。株式会社西川は光正の想いを受け継ぎ、カツオの一本釣り漁を大事に支えてきました。今では、「カツオの町」として全国に名を馳せる勝浦市、「カツオ祭り」の開催も、市のキャラクター「カッピー(カツオのキャラクター)」の存在も、その影に先代光正の貢献があったことは勝浦市民だけでなく、全国各地のカツオ船団の知るところです。その功績と感謝の念により、高知・宮崎・三重・静岡各県の漁労長会らが発起人となり、高知かつお漁業協同組合と勝浦漁業協同組合、並びに勝浦市も賛同し、平成21年に建立・寄贈された齋藤光正の記念碑は、勝浦漁港を真っすぐに見据えています。
現在は、西川が開いたマグロ漁船への誘致が勝浦漁業組合にも定着し、春~秋はカツオ漁船が、秋~春はマグロ漁船が勝浦の港を賑わわしています。また、外国人実習生の受け入れも、時代に先駆け積極的に実施してまいりました。水産加工学を学ぶため、アジア諸国からやってきた実習生は、外国人実習生制度の下、各分野で大いに活躍しています。また、15年以上前から地域の障害者支援施設の外部研修の受け入れを開始し、知的障害者の雇用を積極的に導入しております。ここにも、当社が大事にする「人と人との絆」が存在します。その真髄に存在するのは伝統への敬意と郷土愛、その想いを胸に西川はこれからも歩み続けます。